海外の朝食まとめ:朝昼夜の食事が定番化している日本、実は世界でも珍しい?

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海外の常識をお伝えする「海外ZINE」、編集長の水嶋です。

第1回目のテーマは「朝食」ということで、イタリアルワンダ中国ドイツミャンマーアルゼンチンタイ韓国インドネシアベトナム……世界各地からさまざまな朝食文化をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか? 私、編集している立場ながら、「これほどまでに違うのか!」と驚きの連続でした~! ぜひぜひ、すべて端から端まで読んでもらいたいと思います~!!

……と言いたいところですが、さすがにちょっと多いかもしれない。そこで毎月、ゲストといっしょに、記事を振り返る、そんな記事を書くことにしました!(ややこしい言い方ですみません)

初回のゲストは、海外ZINEを運営する株式会社トラベロコ代表の椎谷さんです。

水嶋

よろしくお願いいたします

椎谷さん

はい、よろしくお願いします

水嶋

どの国も特色がハッキリしてましたね

椎谷さん

ですね

水嶋

そんな訳で、公開された順にあれやこれやと話していきたいと思いますー

 

しょっぱい朝食はNG! イタリアの朝はドルチェではじまる(鈴木圭)

水嶋

イタリアの朝食は甘い、味噌汁と白米といった日本の朝食を『気持ち悪い』という声すら

椎谷さん

これ意外でしたね、パスタだってしょっぱいじゃないですか

水嶋

鈴木さんが『朝食でカツ丼は食べないようなもの』と書かれていて、その表現が個人的には腑に落ちた感じでした

椎谷さん

なるほど、でも血糖値上がりそうですよね

水嶋

その観点はなかったな……もしかしたらそれもまた日本人的考えかも? 健康大国的な

椎谷さん

もしかしたら、コーヒーが苦いものだからかな

水嶋

あー甘いものではなく、コーヒーが先にあったと!

椎谷さん

先日ニュースで知ったんですが、『スターバックスのイタリア進出が2018年に延期』ってあって。え、今までなかったんだ? って

水嶋

コーヒー文化はあるから要らないぜってことなんですかね

椎谷さん

そうかも。スタバはシドニーでも苦戦しているらしいですよ

水嶋

そうなんだ。同じくコーヒー文化のあるベトナムでは割と歓迎されてますけど、利用客は欧米や中華系の外国人や、ベトナム人でもなんだかスタイリッシュな服や髪型の人が多いです

椎谷さん

各国によってアプローチが違うんでしょうね

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-italy

 

アフリカ・ルワンダの朝食を調べたら節約して食べていなかった(タケダノリヒロ)

水嶋

個人的には一番の驚きでしたね、どんな朝食だろうと思ったら、まさかの、ない!

椎谷さん

この環境だと、お腹いっぱい食べるということがなさそうですよね

水嶋

普段はないかもしれませんね、食に対する考え方も違っていそう

椎谷さん

持つんですか? 一日一食で……

水嶋

ものすごい燃費が良いとか……でも、タケダさんから聞いた話では、地元の少年はよくバク転してるらしいですよ。そのエネルギーは一体どこから来てるんだって話

椎谷さん

へーー

水嶋

記事にも出てくるイギコーマってお粥のような食べ物がすごい栄養価が高いそうで、勝手な想像なんですが、日本でのウィダーインゼリーみたいなものなのかもしれません。味のバリエーションはそれほどないけど、栄養を摂るには問題ないぜ! みたいな

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-rwanda

 

お粥、肉まん、揚げパンに豆乳! 中国・上海の朝食は通勤グルメ(海辺暁子)

椎谷さん

油条って揚げパンが出てくるじゃないですか、大好きなんですよ

水嶋

あれ、知ってたんですか?

椎谷さん

無錫(ウーシー)にある、中国人の友だちの家に遊びに行ったときに食べて好物に

水嶋

ベトナムにもありますよ、フォーの付け合せとかで。でも、それをクレープ状に巻いちゃうっておもしろいですよね、海辺さんも書いてるけど、炭水化物すごいだろうな

椎谷さん

価格が変動するところがアジアの国っぽいですね

水嶋

上海という土地柄もあると思いますけど、発展の最中にあるって裏付けですよね

水嶋

コンビニおにぎりの具が脂っこいって、おもしろくないですか?

椎谷さん

いかにも中国、中華料理っぽいですよね。でもそもそもなんで脂っこいんだろう

水嶋

知人から教えてもらったのですが、料理に使える水の豊富かどうかだったのかなーと。中国は広すぎて内陸の街が大半じゃないですか、海も川も少ない地域だと必然的に水より油を使う。これは、四大料理とか調べていくといろいろ発見があるかもしれないけど

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-china

 

ドイツの朝食はパンに具材を盛ってご「地層」に、実は夕食もほぼ同じ(久保田由希)

椎谷さん

前にドイツ旅行へ行ったんですが、黒パンがめちゃくちゃ美味しかったんですよ

水嶋

へーそうなんだ

椎谷さん

それから『黒パンは美味い!』という認識になって、日本のそれなりに有名なお店で黒パンを買って食べたらそうでもなくて……ガッカリしました

水嶋

本場で美味しいものはやっぱり本場なんですね。先日フランス産の、個包装されたマドレーヌを食べたんですが、すごい密度が高かった。欧州のパンやお菓子はそういうところあるのかな

椎谷さん

朝からビールを飲むって、ドイツらしいですよね

水嶋

南ドイツの、さらに週末などのタイミングみたいですけどね

椎谷さん

パンをベースにあれこれ載せるっていうのもおもしろい

水嶋

日本の、白米に海苔とか鮭フレークとか載せるスタイルに似てるなーと思いました

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-germany

 

中・印・英が揃い踏み! 2大文明に挟まれたミャンマーの朝食(板坂真季)

水嶋

中国、インド、イギリス、本当にいろいろ食べられるみたいですね。ミャンマーの麺類も美味しそうだし、個人的に一番『食べに行きたい!』と思った国はミャンマーでした

椎谷さん

食材としてのナマズって、最近日本でも推してますよね

水嶋

あぁ、ウナギの代用とかで聞きますよね

椎谷さん

川魚って匂いを取るとか、調理が面倒じゃありませんか

水嶋

そりゃそうでしょうけど……内陸の方だと、下処理が当たり前の感覚じゃないでしょうか

水嶋

私、タイ料理で一番好きなものがカオソーイで、オンノウカオスエがすごく食べたい

椎谷さん

すごい名前ですよね

水嶋

ね。日本神話に出てきそう。声に出したいミャンマー語、オンノウカオスエ!

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-myanmar

 

アルゼンチンの朝は壺を家族や仲間と回し飲み、絆を深めるマテ茶とは?(奥川駿平)

椎谷さん

ライターの方、南米らしくない爽やかな方ですね

水嶋

らしくないの意味がいまいち分かりませんが、そこですか

椎谷さん

お酒の回し飲みはよく聞くけど、お茶ってはじめて聞きました

水嶋

確かに……それだけに、愛情や友情を大事にしている国って印象です

椎谷さん

私、あまりお酒が飲めないので、お茶だったら大丈夫そうです

水嶋

マテ茶ライフ、満喫できるじゃないですか

椎谷さん

中国や韓国でも一人で外食をする習慣はあまりないんですよ

水嶋

へー日本は珍しいんだ、『孤独のグルメ』とかもうその象徴ですよね

椎谷さん

でも、風邪を引いたらどうするんですかね? マテ茶の回し飲みは

水嶋

素朴かつ核心的な質問ですね! 知りません

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-argentina

 

韓国の朝食は菜食主義? お酒好きも酔い覚ましスープで健康的に(吉村剛史)

椎谷さん

スープと野菜って健康的ですよね

水嶋

そうですね、でも私は勝手に甘辛なイメージで意外でした

椎谷さん

家庭料理が主流って日本に通じるところありませんか

水嶋

確かに。ほかの国は外食とかで、家でつくってもあまり手間が掛からないものばかり

水嶋

個人的には、家庭料理もあれば、トーストもあり、海苔巻きもある、『朝食』という枠組みがあるけど、雑多な感じがすごく日本と似てると思いました。ほかの国に比べても近いんですよ

椎谷さん

酔い覚ましスープもおもしろいですよね

水嶋

朝と夜でバランスを取ってる感じですね

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-korea

 

300の民族を擁する多民族国家インドネシア、その多彩な朝食(武部洋子)

水嶋

私ね、恥ずかしながら、これほどまでに多民族国家だと知りませんでした

椎谷さん

そうだったんですか? 使う言葉も違いますよ

水嶋

そういうことになりますよね

椎谷さん

日本人の感覚では沖縄に近いかも。かつては違う国だったし、土地の言葉もあるし、そういう沖縄的な場所がたくさんあるというイメージが近い気がします

水嶋

そうか、海洋国家でもあるし、言い得て妙ですねーそれは

水嶋

おもしろいなと思った点が、『ナシゴレン』の意味は『炒めたご飯』

椎谷さん

ネーミングは単純ですよね

水嶋

でも、日本人や、たぶん外国人も食べて『ナシゴレンだ!』と思う決め手の味って、記事にも出てくるケチャップマニスだと思うんですよ。それを現地では意識せず、ふつうに『炒めるご飯』って呼んでる。たとえ話だけど、日本のチャーハンに醤油を使って、外国人から『チャーハンは醤油味』って思われている感じです

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-indonesia

 

タイの朝食は甘・辛・揚の屋台天国! 一日5食で精がつく(ずんこ・ネルソン水嶋)

椎谷さん

まさに『アジアの朝食』のイメージ通りでした

水嶋

VISAのCMもあって、日本が考えるアジアってタイなのかも?

椎谷さん

路面の屋台で自由に朝食を食べてこそ、という感じですね

椎谷さん

屋台が多すぎて料理も似てるから、激ウマのお店が知りたいです

水嶋

あー、『美味しい店の見分け方』とか、テーマとしておもしろそうですね

椎谷さん

そうですね、こだわりの職人気質の屋台飯とかタイにあるのかどうか

水嶋

揚げ物の比率もすごいですよね、肉とかワンタンとかバナナまでなんでも揚げる。これこそさっき話した、『料理に使える水が少ない』を背景としているんじゃないかと。タイだとパーム油の豊富さもありそうですが。近々、揚げる具材の限界を調べに行ってみるつもりです

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-thailand

 

米がパンや麺に「七変化」!? ベトナムの朝食はライス・マジック(ネルソン水嶋)

椎谷さん

コメ文化は日本人に馴染みが良さそうですね

水嶋

ですねー、ベトナム料理店、日本でも増えているみたいですもんね

椎谷さん

驚いたのは、麺だけじゃなくこんなにいろいろあったのかって

水嶋

あぁ、それ、私も思いました(笑)

椎谷さん

ご自身が書いたんじゃないんですか

水嶋

改めて読み返すと、こんなにあったんだなぁーって

椎谷さん

朝食だけでもいろいろ楽しみ方があるので、次行くときは巡りたいですね

水嶋

ホテルの朝食も悪くないけど、個人的には『ベトナムなのにもったいない!』と思いますね。ぜひ!

https://traveloco.jp/kaigaizine/breakfast-vietnam

 

朝昼夜で食べるものが定番化している日本、実は世界でも珍しい?

水嶋

全体的にはいかがでした?

椎谷さん

日本って、朝と昼と夜でそれぞれ違う食事をとるじゃないですか

水嶋

確かに。夜にトーストを食べると聞くと『なんで?』と思っちゃいますよね

椎谷さん

でも、海外だと時間に関してはこだわりがなかったりする。そう考えると、時間軸を持ち込む日本の食事スタイルって世界的には珍しいんだなと思いました

水嶋

丁寧だし、変態的とも言えますね。和食も文化遺産に登録されたことですし。いろんな食べ物を口の中で合わせて味をつくる『口内調味』も日本の特徴らしいですよ

椎谷さん

へーー

水嶋

あと、各国の朝食も、裏は取ってないけど、仮説は考えられるんですよね。イタリアだとコーヒーがあるから甘いのか? とか、タイだとパーム油と衛生上の理由から揚げ物ばかり? とか。そのまま受け取ると異文化でしたね! で終わっちゃうけど、なんにだって文化や歴史上の背景はあるし、日本の朝食もまたそうやって成り立ってきたもののひとつなんだろうなーと思いました

 

***

 

次回のテーマは「年越し」です!
各国のタイトルはこのような内容になっております(予定)。

12/1 お菓子と飾りできらめく40日間、ドイツは年越し後もクリスマス
12/4 電子爆竹に出前シェフ、ITと富裕化で進化する中国の正月
12/7 ミャンマーの正月は国民総出の「水攻め」と「罠団子」で逃げ場なし
12/11 肉が主食のアルゼンチン、年越しは「ヤギの丸焼き」と「キスタイム」
12/14 新暦は火災で旧暦は水難! タイの正月は死者も出るほど盛り上がる
12/18 大晩餐会に5階からのゴミ捨て大会!? イタリアの正月は大騒動
12/21 韓国(タイトル未定)

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この記事を書いた人

ネルソン水嶋

ネルソン水嶋

ブロガー、ライター、編集者。2011年のベトナム移住をきっかけにはじめた現地生活を綴るブログ『べとまる』から『ライブドアブログ奨学金』『デイリーポータルZ新人賞』などを受賞を契機に、ライターに。2017年11月の立ち上げから2019年12月末まで、海外ZINEの編集長を務める。/べとまるTwitterFacebooknote

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