海外のソースまとめ:料理の味はソースが決め手! アジアはなぜか「発酵」が好き
2018年9月は『海外のソース』にまつわる話をお届けしました。ニュージーランド、メキシコ、イスラエル、ミャンマー、タイ、イタリア、中国、アルゼンチン、韓国、各国の文化を通して見えてくる価値観はなに? 振り返ります。
調味料として使ったり、あとからかけたり、どんな使い方にしても、その国で使われるソースは料理のイメージともひも付きます。メキシコはチリだったり、イタリアはオリーブオイルだったり、アルゼンチンは牛肉をおいしく食べるチミチュリだったりと……。そして、タイ・韓国・ミャンマーを見てとくに分かった、「アジア諸国はどこもかしこも発酵品が大好き」という事実。日本は空港に降り立つと「醤油の香りがする」という話もありますが、実はどの国でも同じような現象があるのかもしれません。
ケチャップの上位互換!? ニュージーランド人が常備する『トマトソース』
https://traveloco.jp/kaigaizine/sauce-newzealand
ライター:井上龍馬
例えば、ニュージーランドのソウルフードであるパイ(甘いものではなく、中身がステーキ&チーズ、ベーコン&卵、ひき肉など)、ピザ、目玉焼き、マッシュポテトにもかける。ご覧の通り、完全にケチャップ的使い方です。
このトマトソースはケチャップとどのように違うのか?実をいえば、ニュージーランド人自身もよく分かっていません。インターネット上では「ケチャップにはビネガーが入っており、トマトソースには入っていない」なんて説などがまことしやかに…
当時、トマトソースは母の味という位置づけだったそうです。それを見たノルウェー人が「これはお金になるぞ!」と考え、現地にトマトソース工場を建て、そこからニュージーランド全体に一気に広まり、どこの家庭でも一般的なものになったそう。
チリ文化は”6000年”! メキシコ人が愛してやまないサルサの世界
https://traveloco.jp/kaigaizine/sauce-mexico
ライター:Mariposa Torres
「タコス」自体はメキシコ料理にあるもののタコベルなどでおなじみの、このようなハードシェルタコスはアメリカで生まれたテックスメックス料理。まずメキシコでお目にかかることはありません。
実に64種類ものチレが存在するというメキシコですが、ひと口に「チレ」と言っても、その辛さや用法はバラエティに富んでいます。もっともオーソドックスな使用法は「サルサ(ソース)」にすること。
こちらの「バレンティーナ」。今から半世紀以上前にメキシコはハリスコ州の片田舎のさらに普通の家庭で作られていたレシピがオリジナルだそうですが、今や、メキシコ随一のソウルソースにまで登りつめたソース。辛味だけでなく、酸味も…
万能ゴマソース・タヒーニはだれのもの? イスラエル料理の根深い事情
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ライター:がぅちゃん
風味は日本の胡麻豆腐に近いですが、苦味はなくてクリーミー。ただし、くどくなく、さっぱりしていて、飽きのこない絶妙な風味です。ゴマの成分の半分は脂肪ということで、健康な生クリームを舐めているような幸福感に浸れるので中毒性があり…
フムスはイスラエルの飲食店にはほぼ必ずあると言っていいほどの国民食です。IKEAのカフェにも常備されており、お値段は6シェケル(約180円)ととてもリーズナブル。
建国70年と若く、まだまだ自国のアイデンティティを確立しようとしている最中で、決定的な「イスラエル料理」がまだないというのがイスラエルの一般的な見解。つまり、「寿司=日本!」のようなわかりやすい食べ物が、存在しないのです。
ミャンマーの発酵ソース「ガピ」はおふくろの味、ただし匂いはイカ塩辛の3倍強烈!?
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ライター:板坂真季
ミャンマーのソウルソース、それはなんといってもガピでしょう。ビルマ語で「ガ」は「魚」、「ピ」は「圧する」を意味し、ガピという名称は魚を漬物のように樽に圧し詰めて発酵させる製造方法に由来しています。
ミャンマー人は恥ずかしがり屋で、プライベートエリアに踏み込まれるのをけっこう嫌がります。それでいて頼まれ事にNOと言えない。
ガピの味はおふくろの味と書きましたが、地方によっても傾向があります。たとえば長い海岸線をもつミャンマー南部のモン州では、安く手に入るため海老ガピ利用がポピュラー。唐辛子やニンニクに加え、玉ネギやライムも入れます。
タイ料理はナンプラーに始まり終わる! しかし「食べるラー油」に「天然塩」も絶品だ
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ライター:高田胤臣
タイで「ソウルソース」といえば、真っ先に思いつくものは「ナンプラー」です。いわゆる魚醤で、タイでは主にカタクチイワシ(アンチョビ)などで作られます。ナンプラーを直訳すると「魚の液体」。
ナンプラーだけがタイのソースではなく、料理ごとに決まったものがあります。もちろん、ほかのソースで食べてもかまいませんが、飲食店で定番を外して食べているとタイ人からは奇異な目で見られてしまうでしょう。
タイ料理は、和食のように素材の味を活かすよりも、調味料やソースの味を前面に出したものになります。そのため、外国人には最初のうちはおいしいと感じますが、味が濃くて徐々に飽きてくることが多く…
醤油? 民間療法? オリーブオイルをドバドバ使うイタリア人、意外な用途とその信頼。
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ライター:鈴木圭
事実、イタリアではありとあらゆる料理にオリーブオイルをかけます。パスタやリゾットなどの定番料理はもちろん、肉や魚などのメイン料理やスープ、ピザなど本当になんでも。
お腹が空いてなにもないときはオリーブオイルに少し塩を入れてパンにつけるという食べ方もあります。いいオイルでやると本当に止まらなくなるくらい美味しいのですが、イタリア人にとっては少し貧乏くさく映る食べ方のようで、レストランなどでは…
飲む前に大さじ1杯程度のオイルを飲むことで胃の中に膜ができ、二日酔いを防止する効果があるんだとか。自分はお酒に弱すぎてその効果を実感できませんでしたが、イタリアではわりと知られた二日酔い防止方法なのだそうです。
中国式醤油はバリエーションがすごすぎる! 「レモン風味」や「色付け用」まで
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ライター:海辺暁子
いわゆる中華料理についてかなりざっくりと言えば、北(北京・大連など)は味が濃い目でこってり、西(四川など)は油多めで辛い、東(上海近辺)は甘くて濃厚、南(広東、福建など)は海鮮が多く素材の味を生かした薄味。
上海料理で使う醤油を大きく分けると、味付け専用の生抽(シェンチョウ)と、色を濃く出したい場合の老抽(ラオチョウ)の2つ。なんと、料理にわざわざ色を付けるための醤油があるのです。
上海ではヤオくんの家のようにお父さんが料理をはじめとする家事の大部分をこなすことが多く、ほかの男性数人に聞いたところやはり同じく旦那さんが料理をするという家庭が多いようです。
日本でも輸入解禁! アルゼンチン牛肉の味が限界突破するソース・チミチュリ
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ライター:奥川駿平
というのも、チミチュリはその使い方が決まっており、アルゼンチン伝統BBQのアサードや、牛の内臓から作られたチョリソ(ソーセージ)を挟んだチョリパンに添えられるものだから。
アルゼンチンは人より牛の数の方が多いことで知られています。最新の2016年時点のデータでは、アルゼンチンの人口は約4,300万人、対して牛はというとそれを上回る5,000万頭以上もいると言われているのです。
アルゼンチンで有名なフレーズが”Todo bicho que camina va a parar al asador”。意味は「全ての歩行(水中)動物はアサードにされる」。言葉の通り、この国では、牛や鶏、ヤギ、ヒツジ、豚、魚、果てはアルマジロまでアサードとなるのです。
「発酵」が支える韓国料理、「五味五色」を彩るソウルソース・コチュジャン。
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ライター:吉村剛史
そんなコチュジャンですが、韓国の人にとっては海外旅行に持っていく人もいるほどなくてはならないもの。現地食が口に合わないときにかけて使えば、「とりあえずは韓国の味に近づく」というわけです。
韓国料理は、東洋の五行思想(陰陽五行説)に基づき、中華料理や日本食と同じく「五味五色」を用いることが基本。その「五味」とは「辛・甘・酸・鹹(塩味)・苦」、「五色」は「青・赤・黄・白・黒」です。
日本にやってきた韓国人が、納豆について口を揃えて言うことは「清麹醤と似ている」というもの。納豆のネバネバ感に抵抗感をいだく人はいますが、「納豆の匂いがだめ」という人はそれほど多くはないのです。
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