編集長交代(ネルソン水嶋編集長退任)のご報告

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編集長退任のご報告

みなさん、こんにちは。”元”編集長のネルソン水嶋です。

2017年11月の立ち上げ時から海外ZINEの編集長を務めてまいりましたが、2019年12月末を以て退任するとともに、運営から離れることになりました。事後報告となったこと、お詫び申し上げます。なお、編集に携わった未公開記事がまだいくつかあるため、今後もしばらくはそれらの記事が更新される予定です。

新体制では、海外ZINEを運営する株式会社トラベロコの、コンテンツマーケティング部責任者である小石川統が新編集長となります(1月以降なので正確には”なっています”)。

引き続き、変わらぬご愛顧をいただけますと幸いです。

 

最後に、少しだけ振り返させてください。

まず!この2年と2カ月、めちゃくちゃ楽しかったです

立ち上げからはじまり、世界28カ国の計36名のクリエイターの方々と250余のコンテンツ発信。文化を伝えるスタンダードな内容から、海外に暮らす方を中心としたインタビュー、たまにお笑い色の強いもの、ジャーナリズムを感じさせるものまで。編集長とは言いつつ、実際はひとり編集部にすぎなかっただけなのですが、だからこそ、私の興味・関心のあることを、全力で、自由に、やらせていただきました。

それまでベトナムに住む物書きであった自分は、経験面でもそうですが、心理面でも、この仕事を通して大きく変化したと感じています。ひとつだけ挙げるならそれは、「未知に対して敬意を払う」ことです。異文化というものを、おもしろかろうが、おもしろくなかろうが、美しかろうが、美しくなかろうが、おいしかろうが、おいしくなかろうが、どう感じるかはその人の感性次第だと思います。ただ、当然、どんなものでもそこに至るまでの歴史といった厚みがある。そんな思いをともにできるひとたちと海外ZINEというメディアをつくってきた時間は、繰り返しになりますが、めちゃくちゃ楽しかったです。

任が解けた今だからこそ言えますが、編集経験ゼロの私にそんな機会をいただけた株式会社トラベロコのみなさま、ともに海外ZINEを盛り上げつづけたクリエイターのみなさま、取材や企画にご協力いただいたみなさま、そして、今これをご覧の読者のみなさま!この場をお借りして、心から感謝を申し上げます。

でで!ここからは振り返りであり、今後の方針とはまったく関係ないという前提の上で。

海外ZINEは、海外に住む日本人の方に向けて、自分が住んでいながら知らなかった国のこと、また同じテーマで見た他国のこと、それらを知って楽しんでもらいたいという思いからスタートしました。また一方で、日本に住む日本人にも届けたいと考えておりました。その理由のひとつは、「カルチャーショックを楽しめることは日本人の急務だ」と勝手ながら思っていたからです。おこがましくてすみません……。

でも、今は日本もスッカリ、”ふつうに外国人と暮らす社会”です。そしてまだまだこれからも、ゆるやかに、だが確実に、多民族国家に向かっています。それは言いすぎだろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、近年の訪日外国人観光の勢いを見ると、やはりそれはもうほんの少し先で頭が出ている未来に思えます。なにぶん私自身はベトナムに8年ほど住んでいたものですから、日本全国で働く年々増える多くのベトナム人実習生たちを見ていても、それを肌で感じております。そんな急速な変化の中で、カルチャーショックは楽しいという、ポジティブな意味を持たせたかった。また、異文化に触れることは、自分はどうなんだろうと日本や地元などのアイデンティティを考え、再定義する機会にもなると思います。

そんな思いで運営をつづける中、つい最近のことですが、ある読者の方から、「海外ZINEの記事が外国人の友人をつくるきっかけとなった」というお便りをもらいました。ついに。ようやく。と思いました。今後どんな道を行くか分かりませんが、このサイトがこれからもそんな出会いを生み出す存在であることをひとりの読者として誠に勝手ながら期待しています。今後とも海外ZINEをよろしくお願いいたします。

それにしても、

>少しだけ振り返させてください。

ぜんぜん少しでもなかったですね。2年やってきたもんな~。

 

元編集長の大好きな記事

最後にいくつか私が大好きな記事を紹介して、編集長としての役目を完全に終えたいと思います。

丸と言う着眼点がクレイジーで好き

「丸好き」の中国で「四角フェチ」の私が選ぶ上海の名建築たち

中国には丸状の建物が多い気がするという切り口ながら、書いてる本人は四角フェチ。これこそ住んでみないと見えてこない。文化を掬い取りつつ、全力で我が出ているところが素敵すぎです

いずれ人を救う記事だと思った

世界の「ゲイ娯楽」を巡って分かった3タイプのお国柄(世界のLGBT:前編)

ネタを出してもらった段階で「ほしい人はほしいネタ」「超ロングランヒットする」と思って、一年経った今常時上位アクセス記事に。当たった~。日本の外にはこんな世界があるよと示せる点で、いずれ…いやすでに?人を救うんじゃないかと思ってます。

人の愛は国の文化になる

大航海時代の国際カップルが生んだおやつ、マレーシアの伝統菓子”ニョニャ・クエ”

海を渡って生まれたカップル。その子孫たちが今や現代のマレーシアにおけるひとつの民族になるだなんて。壮大すぎて、バタフライエフェクトを感じませんか?

ウィットに富んだかけあいとかわいいイラスト

マンガ・ベトナム嫁日記:第5回『ベトナム男子のナンパ術』

全シリーズを読んでもらいたいです。日本人夫とベトナム人妻の掛け合いの軽妙さ、それをかわいらしいイラストに落とし込む腕が光ります。川村さんがハーさんを言いくるめる日は来るのか……。

思い込みがおもしろくほどける

美食の国・イタリアの弁当が「手抜き」なのはなぜなのか

美食は美食でも、外で食べるものには大してこだわらない。文化にあてるものさしは、ときにひとつだけじゃ足りません。この記事はイタリアの文化を知ると同時に、日本の弁当文化の特殊性がよく分かります。

たぶん一番のヒット記事

ダルシムはインド人に許されるのか? ストツーキャラの印象を各国の人に聞いてみた

書かせていただきました(イラストは別)。既存のサブカルチャーとうまくかみ合うとすごいことになるなと勉強になりました。意外と髪の色と体格を見る国の人が多いところがおもしろい。

バスタオルが民族衣装という”甘くて苦い”みたいな感じがたまらん

パオ族の正装はなぜ「頭にバスタオル」? 民族衣装の謎を追え

民族衣装とバスタオルって、けっこう真反対にあるものじゃないですか。伝統的なハンドメイドと、大量生産的な。あくまでイメージですが。それがひとつという。まぁ、バスタオルじゃなくてターバンだけどね。

ひとりの女性の人生をサクッと覗き見

『オルシュティンでおにぎりを』:私、ポーランドで日本食堂はじめました。

連載記事のひとつめなのですが、この記事の中に小林さんの半生が描かれています。その意味では、取材時間は10年ちょっとと言えるのかもしれません

遊び方が人種全体の印象にすらつながる

「アフリカの少年は全員バク転できる」説、7カ国で検証してみた

陸上競技ってアフリカ系選手が多いじゃないですか。それってやっぱり遺伝子レベルですごいのかーなんて思っちゃうけど、きちんと背景を追えば、説明のつく後天的な理由が見えてきたりします。青年海外協力隊のみなさまにも感謝!

日本は家で脱ぐがNZは外で脱ぐ

靴って要るの? ニュージーランド人が裸足で外を歩きたがるその理由

欧米国では靴のまま家に上がるところも多いですが、ニュージーランドでは反対に裸足で外歩くぜって話(オーストラリアでも)。なにげに10年くらい気になってたのでうれしい。その理由はただただ「面倒だから」というのがまたすごい。

漫画の主人公みたいな人生です

『チアリーディングと笠原園花』前編:私より飛べる人に会いに行く

笠原さんほど行動力のあるパワフルな方、私はそんなに知らないかもしれません。まさしくチアによって拓いてきた人生。読めばきっと、「こうしちゃいられない」と発破をかけられるはず

パラオに埋まったタイムカプセル

戦跡にインフラ…人名? 花札!? 島国パラオで見つけた意外な「日本」

日本統治時代のあったパラオには、花札が残っていたり、ブラジャーのことをチチバンドというんです。日本人がほぼいなくなっても、かつての日本がそこにあります。いずれ行こうと思います。

激動の人生はすぐそばにある

“望んで死体を片付けたのさ”ー。先進国から途上国になった国と、移民の義父の幸福論

奥川さんの義父の人生が壮絶なのですが、アルゼンチンにおいてはことさら特別でもない、あくまで一般の人だということをわかってほしい。死体を片付け、戦闘機に石を投げる、それが日常にあったのです。

想いは人を砂漠へだっていざなう

『アラブ世界と福嶋タケシ』前編:砂と太陽の異世界にあこがれて

アラブ世界に憧れた日本の青年が、大人になってまさかのカタールという国に従事するまでの話。人生何があるか分からない、そんなメッセージを届けてくれるには最高の記事。

激動の人生はすぐそばにある2

音楽家、鷹匠、映像監督、そして茶の道。裏千家メキシコ協会会長べハールさんの人生観

裏千家メキシコ協会会長、ベハールさん。彼の人生をひとつの記事にぎゅぎゅぎゅっと詰め込まれています。彼が語る思い出には、メキシコの世界的アーティストの名前も。

イメージにメスを入れる

タイのレディボーイとトムボーイに聞く、手術、差別、覚悟…LGBT悲喜こもごも。

タイにはレディボーイをはじめとしたLGBTのケースが多く見られますが、彼女たち、彼たちのことをどれだけ知っていますか?そんな知られざる事情に深く深く切り込んだ記事。

日本人が知らない日本の歴史

新大久保コリアンタウン70年史・ロッテ工場からチーズハットグまで

在日コリアンコミュニティの歴史は、日本の歴史でもあります。そんな新大久保は今多文化街に、これは少し未来の日本像かもしれません。日本人なら読んでほしい記事です。

異文化って想像以上に異文化だよね

ドイツは「裸」先進国、監視社会下で花開いたほのぼのヌーディズム・FKK

世界に山ほどあるカルチャーショックの中でも、ヌーディズム・FKKは衝撃の連続かもしれません。と言いつつ、そもそも日本の銭湯だって外から見たらびっくりなんですけどね。

かっこいいの一言に尽きる

『写ルンです』でインドネシア・ジャカルタを撮ってみた

武部さんのフォトセンスが爆発しています。ジャカルタという街の人・物・場所を切り取った、行ったこともないのに懐かしい気がするふしぎな感覚

日本人街というパワーワード

“日本人はデュッセルドルフの一部です”…日独の蜜月関係が生んだ街

異国に日本人街があるってだけで、日本人なら目を引きますよね。この記事をふくめ世界の日本人街を知ったことで、いつかすべて回りたいと考えています。

 

以上です!

本当はまだまだまだまだ紹介したいですが、キリがないのでこのへんで。

 

わたくしの今後について

引き続き「海外」「異文化」に関係することに取り組む予定です。
いつかまた、違う形でお会いしましょう。

あ、お仕事あればください(直球)。

 

トップの写真は、これといって関係ない、今滞在中の島の絶景。沖永良部島、いいところです。

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この記事を書いた人

ネルソン水嶋

ネルソン水嶋

ブロガー、ライター、編集者。2011年のベトナム移住をきっかけにはじめた現地生活を綴るブログ『べとまる』から『ライブドアブログ奨学金』『デイリーポータルZ新人賞』などを受賞を契機に、ライターに。2017年11月の立ち上げから2019年12月末まで、海外ZINEの編集長を務める。/べとまるTwitterFacebooknote

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