編集長が衝撃を受けた海外ZINEのおすすめ記事19本
編集長が衝撃を受けた記事を紹介させてください
こんにちは、前回の振り返りに引き続き、またまた編集長のネルソン水嶋です。
「編集者は一人目の読者」とえらい人が言ったか言ってないかよく知りませんが、少なくとも私はそう思っています。そう考えると、海外ZINEで一番楽しめているのは私と言っても良いかもしれません。「いや、私だよ!」という人がいれば名乗り出てください、握手からのハグを交わしましょう(なんかセリフがにしおかすみこっぽいけど)。
そこで今回は、これまでに原稿を受け取って「これはすごいな!」と衝撃を受けた記事、そちらをご紹介させていただければと。「海外ZINE、気になるな、でもなにから読んだらいいのか分からない、面倒くさいからや~めた! 忘れておやすみ!」と言われて全米が泣かないように(全米は泣きません)、そんなときにはまずはこちらの記事を開いてもらえると、貴重な時間の節約になるはずですよ。まぁ、それでも20本近くになったので、我慢してコメントはあっさりにしたつもり。
それでは、どうぞ!
「アフリカの少年は全員バク転できる」説、7カ国で検証してみた
ライター:タケダノリヒロ(ルワンダ)
「アフリカって広すぎるだろ」というつっこみが入りそうですが、これが本当にそうなんですよ。各国在住日本人のみなさんによるバク転する少年の目撃報告。日本でアフリカは貧困問題で語られがちですが(実際にそうした国もある)、そのイメージを吹き飛ばすかのようなアクロバティックな勢いにいろんな笑みがこぼれます。だけどただ物珍しいで終わるのではなく、文献も押さえつつその背景に語られるという……制作側なのに言っちゃいますよ! 素晴らしい記事です。
“早く大人になりたい、なぜなら両親がいないから”ー。中国人看護師ルシアの過去と夢
ライター:海辺暁子(中国)
上海に暮らす看護師のルシアさん(ニックネーム)の半生について掘り下げられた記事。これがまたなかなかハードで……「これ、読後にルシアさんが好きにならない人なんている?」というくらい感情移入必至です。日本では海外の話ってやっぱり遠い世界のように感じる人も多いのですが(日本に限らないか)、こうしたひとりの人物の歴史を掘り下げることで、それぞれの国・街にまったく違った人間の営みが送られているのだと、当たり前のことを実感しますね。
ドイツは「裸」先進国、監視社会下で花開いたほのぼのヌーディズム・FKK
ライター:久保田由希(ドイツ)
「FKK」と検索すると、ドイツにある風俗形態の話ばかりが出てくるんですよね。しかし、そもそもFKKとはそういう意味ではない、ちゃんと歴史のある牧歌的なヌーディズムである、という思いから書かれた記事です。「ドイツで裸は恥ずかしいことじゃない」という話の衝撃。実はこの記事、常にアクセス数上位で、欲望に関連する言葉は強いんだなぁ……と感じております。それだけに、検索した人のイメージを覆すであろうという意味では当初の目論見通りだなと。しめしめ。
ベトナムの日本人街の「路地裏街」化、SNS解禁が拓いた新時代。
ライター:ネルソン水嶋(ベトナム)
ベトナム、ホーチミンにある日本人街のレタントン通り。その興りと発展の歴史について書きました(私が)。ポイントはこの数年の路地裏を中心とした急発展、実はこれ、ベトナム政府によるFacebookのアクセス解禁にともなう、集客構造の変化が深く関係していたのです。日本人向けサービスでベトナム進出を考えている人は、一見の価値が大いにありますよ。
怖くもおかしなタイ心霊の世界…「シマウマ」を見たら亡霊の影
ライター:高田胤臣(タイ)
タイってホラー映画が大好きなんですよ。なにしろ映画館に行くと、上映前の宣伝映像の半分以上がそうでしたから。その背景には幽霊が身近な存在ということがあり、それについて「タイ心霊ライター」の高田さんが解説してくれています(もはや「紹介」の範囲に収まらない)。タイでシマウマの置物を見たら気をつけてください、そこは心霊スポットの可能性大です。
アルゼンチンの昼寝は4時間!? シエスタで回るラテンの夜型生活
ライター:奥川駿平(アルゼンチン)
ラテンのお昼寝文化・シエスタのことは知っていましたが、4時間にも渡るというのは衝撃でした(都市部ではそもそもとらないところも多いそうですが)。ただ、のんびりと怠けている訳ではなく、強い日差しを避けて活動するための夜型生活ということ。実は超合理的な生活形態なのです。
“望んで死体を片付けたのさ”ー。先進国から途上国になった国と、移民の義父の幸福論
ライター:奥川駿平(アルゼンチン)
ふたたび奥川さんの書かれた記事からもう一本。義父(奥さまのお父さん)についてのインタビュー。これが、かなり、壮絶です。同じ時代を生きる人で、国が違えばこれほどまでに人生が変わるのか、衝撃度でいえば海外ZINEで一番かもしれません。「飛んでる戦闘機に石を投げる」って……映画の世界の出来事のように思いましたよ。でも現実です。世界は広い。
『オルシュティンでおにぎりを』:私、ポーランドで日本食堂はじめました。
ライター:小林なつみ(ポーランド)
ポーランドの地方都市で日本食堂をはじめた小林さんのお話。こちらはほかの記事と毛色が違い、彼女自身のプロジェクトに軸を置いたシリーズ連載です。世界各地で日本語教師をしてきたことや、ポーランドに渡って食堂をはじめることになった経緯について書かれています。実は近々ようやく第二弾が公開される、つまり本当にはじまったばかりの企画なのですが、当然ながら主観的に書かれておりとても温度が伝わるという点でオススメです。
雨が降ったらチヂミが食べたい韓国人、音がむすぶ情緒的なその理由。
ライター:吉村剛史(韓国)
日本の隣国で、歴史的・文化的な接点も多いだけあって共通点が多い韓国。しかし、それを「情緒」にも感じるとは思いませんでした。梅雨時にはチヂミを食べたくなる、それは鉄板の上で油が跳ねる「パチパチ」という音が、雨粒が地面を打つ音に似ているからとのこと。思ったことはなかったけれど、言われてみれば確かに分かる、なんとも不思議な共感です。
韓国のビジネスメールは顔文字OK!? モルゲッソヨ像からみる日常の「遊び心」
ライター:吉村剛史(韓国)
吉村さんの記事からもう一本。平昌オリンピックで話題になった「モルゲッソヨ像」、日本人記者が現地に尋ねて「分かりません(モルゲッソヨ)」と返ってきた答えを誤解、それがそのまま日本での呼び名になってしまいました(正式名は「弾丸マン」)。この作品をはじめ、なぜか韓国にはパブリックアートが多い。その背景にある韓国の「遊び心」を紐解く記事です。
2大文明に挟まれたミャンマーの朝食! 中・印・英が揃い踏み
ライター:板坂真季(ミャンマー)
ミャンマーの朝食って本当に幅広いのです。その地理的・文化的な位置づけにより、現在でいう、中国、インド、イギリス、それぞれの食文化が共存しています。しかし、さらに気になるものは地元の麺料理。モヒンガー、シャンカオスエ、オンノウカオスエ……などなど! 板坂さんの撮る料理はフォトジェニックすぎます。ちなみに最近、私もミャンマーへ行って、板坂さんの案内の下でようやく味わうことができました。おいしかった~!
『アラブ世界と福嶋タケシ』後編:砂と太陽の異世界にあこがれて
ライター:福嶋タケシ(カタール)
カタール政府で公務員という、かなりユニークな肩書きを持つ福嶋さん。一体なぜ? その半生がインターネットで初めて(!?)語られます。前後編あるのですが、より展開がダイナミックな後編の方をあえてオススメ。冒頭で前編のリンクも載っているので気になる方はそちらも併せてご覧ください。人生は動きつづけていれば大きく変わる(かも)という教訓がぎっしり詰まっています。
醤油? 民間療法? オリーブオイルをドバドバ使うイタリア人、意外な用途とその信頼。
ライター:鈴木圭(イタリア)
イタリア料理といえばオリーブオイルを思い浮かべる人も多いですが、本場では想像以上に使ってます! という話。ソース代わりにドバドバ~ッとかけることはもちろん、なんと「二日酔いや火傷に効く」という、民間療法使いまで。オリーブとはいえ、日本での「油を大量に摂るのはよくない」というイメージがひっくり返りますよ。
「標高」を制すものが味を制す!? メキシコシティは空前のラーメンブーム
ライター:Mariposa Torres(メキシコ)
今や日本のラーメンは世界各地でブーム化している傾向が見られますが、メキシコシティでは「高地だからおいしくつくれない」という事実が衝撃的。それは沸点が高いため茹で加減がむずかしいという理由から。だったらこれで解決できるのでは? と持ち込まれた発想が、早く茹でられる細麺。それが突破口となり、今や空前のラーメンブーム! 日本のラーメンはもちろんのこと、相性抜群ということでメキシコ料理とのフュージョン料理まで登場しています。
ボリビアの街・サンフアンで継がれる「日本」、その過酷な背景と功績。
ライター:ネルソン水嶋(ボリビア)
戦後、日本からボリビアへ数千人もの移民が渡ったことは意外と知られていないのではないでしょうか。九州出身者と沖縄出身者がそれぞれコミュニティを形成し、過酷な環境を経て二世三世四世……とつづき、今でも日本の言葉や文化が継承されつづけています。その街並みや催し物からは当時の日本人の精神が垣間見られ、どこか懐かしく思えるでしょう。この記事に限っては現地にライターの方がいなかったため、在住者の方に聞き取りして記事に起こしました。
靴って要るの? ニュージーランド人が裸足で外を歩きたがるその理由
ライター:井上龍馬(ニュージーランド)
ニュージーランドやオーストラリアなどのオセアニア地域では、なぜか裸足で外出する人が多い! 以前から聞いたことがあったそんな話、真相を確かめてもらいました。NZ人の友人たちで集まって裸足の謎についてディスカッション、この賑わいを見ているだけでも楽しいですよ。裸足という習慣から、せかせかしていない、現地の牧歌的でゆとりのある生活スタイルを感じ取れます。
『写ルンです』でインドネシア・ジャカルタを撮ってみた
ライター:武部洋子(インドネシア)
ジャカルタの街並みを「写ルンです」で撮る。この月は、ほかの国でも同じ企画を行いました。今ではインドネシア国籍を持つ武部さん。興味を持つきっかけがインドネシアロックだったということで、サブカルチャーやアート関連に造詣が深く、このテーマでは被写体のチョイスや切り取り方を通してセンスが爆発しています。たとえ斜め読みでも写真だけで存分に魅力が味わえる記事!
ダルシムはインド人に許されるのか? ストツーキャラの印象を各国の人に聞いてみた
ライター:ネルソン水嶋
海外ZINEでもっとも読まれている記事です(自分が書いたので言うのは少しはばかられるけど)。私もふくめてストツーをプレイしたという人は多いはず。でもあの登場キャラって国を代表してるけどさすがにアクが強すぎない!? ということで、実際に各国のみなさんはどう感じるのか。聞いてみました。これはね、取材もイラスト制作も時間かけましたよ……。キャッチーな題材だと思うので、ぜひこちらを入口にほかの記事も読んでいってほしいと思って書きました。
なぜか海外で有名な日本語:前編(アジア・東南アジア・インド編)
ライター:ネルソン水嶋
スシ、サムライ、カラオケ、世界的に有名なものも多い日本語ですが、各国ならではの事情で「なぜか有名な日本語」が存在します。こちらは前後編あるので、お気に召したらぜひ後編もご覧ください。どちらもかなり意外なものが挙がるとともに、知られざる日本の歴史を垣間見られます。
海外ZINEはこれからも世界のカルチャーショックを紹介します!
いや~、厳選するつもりでしたが……多いですね!! でも、それくらいオススメしたいものがあるんだなという解釈をしてもらえると本当にうれしいです。
海外ZINEではこれからも、文化や歴史、暮らしぶり、人間ドラマ、海外にまつわるさまざまなコンテンツをお届けしていければと思っています。みなさんの中の世界を広げるお手伝いが少しでもできるとしあわせです。どうぞよろしくお願いいたします。
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