海外のLGBTまとめ:マイノリティに順応する国と葛藤する国は何が違う?
2019年12~1月は『海外のLGBT』にまつわる話をお届けしました。イスラエル、タイ、メキシコ、ドイツ、各国の文化を通して見えてくる価値観はなに? 振り返ります。
インターネットによって多様な価値観にふれる機会が増えたのか、今、さまざまな分野でのマイノリティに目が向けられています。セクシュアル・マイノリティをあらわすLGBTもそのひとつ。個人的な印象ですが、日本では昨今、島国由来なのか多数派におもねる気質を感じると同時に、なんとか変えていこうという意志も根強く感じます。「海外の方が進んでいる」とも言いますが、ではその海外ってどこを指すのか? 少しずつでもいいから、事情を知りたい。結果、元来の多様性によってマイノリティが認められていたり、一方で宗教などを背景に葛藤する国の姿が見えてきました。
「LGBTフレンドリー」を謳うイスラエル、その実態と政治利用に見られる葛藤。
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-israel
ライター:がぅちゃん
ユダヤ教国家のイスラエルは、実は世界的にも『LGBTフレンドリー』な国として知られています。中でも、最大の商業都市であるテルアビブは、ヨーロッパ圏でも、LGBT向けの観光地の中では人気スポットとして有名です。
イスラム国家では、LGBTの人々が結婚や就職ができなかったり、処罰の対象になるなど、日常生活がまともに送れないケースが存在します。近隣国家がそういった状況なので、LGBTフレンドリーを謳うユダヤ教国家であるイスラエルは中東エリアでは…
東京の人口に満たない規模の国であるイスラエルにしては異常なまでのLGBTフレンドリーっぷりですが、これに関してよく言われる問題が「ピンクウォッシング(Pinkwashing)」です。金儲けのためにLGBTフレンドリーである印象を利用したり…
タイのレディボーイとトムボーイに聞く、手術、差別、覚悟…LGBT悲喜こもごも。
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-thailand
ライター:高田胤臣
タイ人は自由でいることを好むので、他人の信条などに踏み込むことのない個人主義を貫いています。これによって、レディーボーイたちだけでなく、いわゆるLGBTが比較的自分を主張しやすい環境になっていると言えるでしょう。
特にタマサート大学は数年前から、医師の診断書を提出して許可を得られれば公式行事でも自認する性の制服を着ることができるようになっています。そのほか、レディーボーイ専用トイレがある大学も存在します。
タイには徴兵制度がありますが、以前はレディーボーイは、公式書類に「精神病」というスタンプが押され、兵役免除という扱いになっていたそうです。しかし、これによって就職などで不利になる事案が多発したため…
LGBTと相いれないカトリックの国、メキシコに生きるゲイカップルに見た愛の真理。
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-mexico
ライター:Mariposa Torres
メキシコでは人口のおよそ9割がカトリック。「同性愛者間の性行為」を「罪深い」とする教えを受けた彼らが、どのようにLGBTをとらえているか。日本人であり、また無宗教の筆者にとって、興味深いトピックでした。
メキシコ南部オアハカ州のフチタンやテワンテペック地方などには「ムシェ」として生きる人々の存在があります。肉体的には「男」として生まれつつも、その性に違和感を抱く人が、女性と同じような服装をし…
友人カップルでも、片割れが亡くなったケースがあって。彼らは結婚していなかったから、パートナーの死後、彼の親兄弟がすべてを取り仕切ってしまって、残されたパートナーは一切なんの口出しもできなかったし、権利もなかったんだ。
『出産』したレズビアンカップルの友人と、多様性の街・ベルリン。
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-germany
ライター:久保田由希
ここはベルリンのアパートの一室。2人の女性の名はアニカとカロリン。生後7ヵ月のマーラちゃんは、アニカが産んだ「カロリンとの」娘です。
同性カップルが全然珍しくないベルリンでも、子どもを持つカップルはまだ少数です。私が知っている同性カップルで子どもがいるのは、彼女たちが唯一。女性同士のカップルがどうやって妊娠・出産したの? ふたりとも子どもがほしかったの?…
ベルリンは「多様性」と「自由」を掲げる大都市です。なんといっても前市長のヴォーヴェライト氏は同性愛者。しかも市長選前にカミングアウトした上で就任したのです。
世界の「ゲイ娯楽」を巡って分かった3タイプのお国柄(世界のLGBT:前編)
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-world
ライター:がぅちゃん
ゲイ娯楽の文化は政府の方針や現地の文化によって、発展や消費のされ方に特徴がある場合が多いです。それらのパターンは主に3つに分かれます。それぞれゲイの娯楽文化が、「地域に溶け込んでいる」「地域に守られている」「地域から隠れ…
ゲイのアメリカ人同士の老後についての会話で割とよく話題になるのが、「ウィルトン・マナーズとパームスプリング結局どっちがいい?」論です。親戚友人が西海岸に多いか東海岸に多いかで、どっちに住むか考えるという方もいるそうです。
ゲイ娯楽の純粋な数や密集度で判断すると、東京のゲイタウンの2丁目は世界的にもずば抜けて発達しているといえます。「最先端」なワシントンD.C.やベルリンもこれには及びません。それに比べ…。
最先端かガラパゴスか?日本と世界のゲイ娯楽(世界のLGBT:後編)
https://traveloco.jp/kaigaizine/lgbt-world_2
ライター:がぅちゃん
クマ専ゲイ(Gay Bear)を簡単に説明すると、「体の大きな男性を好むゲイ男性」のことを指します。 様々あるゲイのコミュニティ/カテゴリーの一部ですが、ゲイ男性の間ではどこの国でもほぼ必ず存在するコミュニティです。
本来ならゲイのなかでもマイナーなはずのイベントがこれだけの盛り上がりを見せるので、一般人にも認知されるレベルとなっており、ベルリン市交通局がゲイのBDSM愛好者のイメージを起用することにも頷けます。
ドラァグクイーンに関して、日本人の私からすると「日本のお茶の間にはマツコデラックスというのが何年も前からいて、そのはるか昔から女形という伝統芸能(歌舞伎の女役)があるんだけどな」と思うこともあります。
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